ジャズジャパンに見る雑誌復活プロジェクト

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ジャズジャパンは、Jazz界の老舗雑誌「スイングジャーナル」が、装い新たに生まれ変わった新雑誌です。
>> スイングジャーナル、「JAZZ JAPAN」に生まれ変わり8月創刊へ
スイングジャーナルが休刊に追い込まれたのは、昨今の音楽CD不況、出版不況など、いろいろな事情が重なったようです。
>> スイングジャーナル休刊に際して 岩浪洋三(ジャズ評論家)
私は業界事情に詳しいわけではないですが、不況の世の中にあって、こういった雑誌を続けていくのは苦しいのだろうな、と想像します。
ところが、そのスイングジャーナル再帰を賭けて作ったのが、このジャズジャパンという新雑誌です。
創刊号と、第2号の電子書籍版はサイト上で読めるので、ぜひどうぞ。

このジャズジャパン、電子版第3号から、らくらくダウンロードを使ったダウンロード販売をスタートしました。
価格は300円です。
あっと、誤解なきよう言っておくと、ジャズジャパン自体は普通の紙媒体で、価格1000円で発行されています。
電子版は、そのダイジェスト(だと思います。私はまだ紙版を見ていないので。)
さて、ここで売る側の立場に立って、コンテンツを300円で販売するということについて想像してみてください。
いったい、いくら儲かるのか?
おそらく既存のほとんどの決済インフラでは、事実上まっとうな儲けを出すことは不可能だと思うのです。
そこで、らくらくダウンロードの出番です。
らくらくダウンロードでは、極言すれば自力で「粗利97.1%」が稼ぎ出せます。
なので、300円といった少額課金であっても、それなりの見込みが立つわけです。

実は、私はここに、大きな可能性を見ています。
世の中にはたくさんの趣味や文化があって、その数だけ、たくさんの雑誌が出ています。
しかし、その1つ1つの雑誌を見ると、一部のメジャーを除くほとんどは、
さほど大きくもないニッチの中で細々とやっているのが実情でしょう。
それが、世の中の変化や仕組み、はたまた不況のために消えざるを得ない運命にある。
別に巨大な利益を生まずとも良いから、せめて廃止にならならい程度の費用を賄えないだろうか・・・
そうしたときに、
 ・電子書籍という方法
 ・少額でも成り立つ決済手段
は、強力な味方に成り得るのではないでしょうか。
雑誌とは、文化です。
儲け云々を別にして、1つの雑誌を失うことは、1つの多様性を失うことなのです。
近視眼的にはともかく、長い目で見た場合、失うものは金銭に直せないくらい大きな価値でしょう。
先々の採算に不安を感じるコンテンツをお持ちの方々、
一度、「電子書籍化+ダウンロード販売」という方法を検討されてはいかがでしょうか。

※ だいたい私から見れば、ジャズなんてのはとてもメジャーな分野に見えます。
※ 同人の世界は、もっとずっとニッチですよ、ほら、○○とか、××とか・・・

さて、難しい話は抜きにして、さっそくジャズジャパン電子版第3号を購入してみました。
(らくらくダウンロードでは、スタッフと云えどもちゃんと商品を購入するのです。)
ジャズジャパンは、eBubフォーマットで提供されています。
ここで1つ気になったのは、ダウンロードに時間がかかることでした。
創刊号からのファイルサイズを見ると、
 創刊号: 12.8M
 第2号: 38.4M
 第3号: 60.7M
と、だんだんサイズが大きくなっています。
内容に合わせてサイズもそのまま大きくなっている感じなのですが、
60.7Mというサイズは、回線によってはけっこうきつい。
私は会社の常時接続からダウンロードしたのでさほど気にならなかったのですが、
もしこれが iPadの 3G回線だったりすると、かなり待たされるのではないかと思います。
ダウンロードに時間がかかるなあ、と感じても、ちゃんとデータは送られてきているので、
ちょっと辛抱して待ってみてください。
ちなみにサイズが大きくなったのは、アーティストのインタビュー動画が入っているからなのです。
こういう見せ方は、紙には無い電子版の特徴だと思います。

ePubというファイル形式は、話題になっているとはいえ、まだ発展途上なところがあります。
私はパソコンのブラウザ、Mozilla に e-PubReader というアドオンを入れて見ています。

こうすると、ほとんどホームページと変わらない感覚で読むことができます。
他のビューワー、例えば iPad で見ると、Mozilla とはまた少し違った見え方をします。
※ 実は、Mozillaプラグインだとせっかくの動画を見ることができません!
※ 「iBooks」だと見れるので、ぜひお試しあれ。
肝心の雑誌の内容は、アーティストへのインタビュー、音楽CD評論、イベント情報など。
私のような一般人でも普通に気軽に読めるといった感じです。

古くからのファンから見れば、評判は上々みたいです。
ジャズ雑誌『JaZZ JAPAN』創刊号、評判は上々!
私もこの機に、新規読者として応援します!