Google Checkout と Amazon FPS

らくらくダウンロードはスタート当初から一貫して、PayPalの決済システムを用いてきました。
しかしネット上で個人が利用可能な決済システムは、何もPayPalだけではありません。
PayPal以外の決済システムとして、真っ先に候補に挙がるのは次の2つでしょう。
Google Checkout >> http://checkout.google.com/
Amazon FPS (Flexible Payments Service) >> http://aws.amazon.com/jp/fps/
これらのサービスも、PayPalと同じように使えないのでしょうか?

結論から言うと、現時点で日本国内から個人で利用するのは、まだ難しいようです。
Google Checkout の販売者登録には、日本の住所が登録できませんでした。
Amazon FPS で手持ちのカードを登録しようとしたところ「U.Sのアドレスが必要」とのことでした。
以下、登録の様子です。

Google Checkout
Google Checkoutの画面に向かうと、こんなダイアログが出てきました。

Google CheckoutGoogleウォレットに統合されました。
しかし、Googleウォレットはあくまでも購買者向けのサービスです。
販売者として登録したいので、販売者向けのページに向かいました >> http://checkout.google.com/sell

英語のログインページ、既存のGoogleアカウントでログインします。

販売者としての Google Checkout登録が出てきます。
再度、既存のGoogleアカウントでログインします。

入力フォームが出てきます。ここの住所登録をよく見ると・・・
選択肢にあるのが、アメリカとイギリスの2つだけです。

ヘルプなども見てみたのですが、私はここから先に進むことができませんでした。

Amazon FPS
まずは Amazon Web Service (http://aws.amazon.com/jp/) にアカウント登録した後、
ユーザーページの中ほどにある「支払いと請求」のところをクリックして進みます。

ここから英語になります。必要なもののリストです。
この中の (2) A U.S.-based credit card を揃えるのが、日本人には難しい。

続いて登録フォームが出てきます。

このフォームで、手持ちの日本の会社のクレジットカード登録を試みたところ・・・

"You must select a US Address for this credit card in order to sign up for FPS."
というエラーが出て、先に進めませんでした。
つまりアメリカで登録したカードが必要ということです。

結局のところ、現時点では PayPalが最も現実的な選択肢だということでした。

Gumroadというサービス

誰でも手軽にコンテンツ販売できる「Gumroad」というサービスが話題となっています。
* コンテンツを手軽に販売できるサイト「Gumroad」が話題に
>> http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1202/13/news093.html
Gumroadのサービスは、
PayPalを使った決済
・リンクをFacebookTwitterに貼った販売方式
ということで、実はらくらくダウンロードの「BuyNowリンク」と似ています。
最大の違いは、その余りにもシンプルなインターフェイスでしょうか。
とにかく、販売に至るまでのステップ数が少ない。
正直、やられた、といった感じです。
あと、次の違いは、私たちは特別な融資を受けていない、ということでしょうか(^_^;)

らくらくダウンロードは、もともと「誰でも気軽に販売できる、WEBの投げ銭」を目指していました。
そういうサービスができること自体は、ネット全体にとっては嬉しいことだと思います。
ただ、らくらくダウンロードで同じことを行っても、あまり意味がありません。
Gumroadについて、一部では、セキュリティや海賊版についての心配や、
日本語サポートについての不安が挙がっています。
なので、もし私どもが力を入れるとすれば、Gumroadが持っていない点であろうかと思いました。

2011年、ありがとうございました

今年1年、らくらくダウンロードをご利用いただいた皆様、付き合ってくれた方、見えないけれど利用してくれた方、本当にありがとうございました。
らくらくダウンロードは、今年の初めに有料サービスとして本格的にスタートしました。
現在まで1年間、おかげさまで、大きなトラブルもなく順調に運営を続けることができました。
これもご利用いただいている皆様のおかげだと、本当に感謝しております。

さて、このブログの更新日付を見てもわかるのですが、今年の後半あたりから、サイトの更新が滞っています。
現状のらくらくダウンロードには、まだまだ改善の余地が多々あるのですが、それが果たせていないことが今年の反省点です。
そこで来年に向けて、今後実装したい課題を挙げて、本年を締めくくりたいと思います。

1.メールが100%確実に届かない!
電子メールとは、100%絶対確実に届く手段ではありません。
これが、現状らくらくダウンロードの最優先課題です。具体的には、特に、Yahoo!メール。
Yahoo!メールを初めとするSNS系のメールでは、比較的スパムが多いため、強力なスパムフィルタを備えています。
これが仇となって、ダウンロード通知メールがスパムとして排除されることが少なくありません。
電子メールについては根本的な解決策が無く、いまのところ1件1件お客様に確認をとっているのが現状です。
根本的な解決手段は、結局のところ電子メールに頼らない、決済後に直接ダウンロードする場を提供することでしょう。
ダウンロードの場を提供するには、サーバーや、セキュリティ対策などの準備が必要です。
この準備が今年中にできなかったことで、来年中には実現したいことの筆頭です。

2.ちっとも「らくらく」ではない!
はい、現状ですと、それなりにインターネットに詳しい方でないと、設置が難しいですね。。。
現状らくらくダウンロードでは「見張り番」というPHPスクリプトによってダウンロードを実現しているのですが、PHPの設置は、やはり敷居が高い。
PHPに頼らずに設置できる仕組みとなると、やはりダウンロード商材をお預かりする仕組みになると考えています。

3.簡単に設置できるカート
できるらけ簡単に、ホームページ上に設置できるカートを用意したい。
そのために、いくつかの選択肢を準備中です。
その1つが「らくらくカート」 >> http://www.easypay.jp/rkrkcart
また、日本ではあまり見かけませんが、Paypal Mini Cart というのがオススメです >> [id:rikunora2:20110913]

来年は、こうした機能を1つずつ実現してゆきたいと考えています。
どうぞよろしく。

「物理数学の直観的方法」に見る紙と電子書籍のコラボ

らくらくダウンロードは、「長沼伸一郎著作集」という電子書籍販売サイトからスタートしました。
最近、その長沼伸一郎氏が「物理数学の直観的方法 普及版」という書籍を刊行しました(電子書籍ではなく紙の本)。
この本、初版が発行されたのはもう20年も前で、理系の間では「伝説の名著」となっています。
実はこんな経緯で作られた本でした >> 物理数学の直観的方法 出版裏話.
今回刊行されたのは、そのリニューアルになります。

さて、今回刊行された普及版では、これまで無かったちょっと目新しい配布形態が試みられています。
それは「紙と電子書籍のコラボ」という形態です。
今回の普及版には、以前の版(第2版)にあったはずの最後の第11章が欠けています。
そして、よく見ると普及版の「やや長めの後記」のページに、(第2版所収第11章「三体問題と複雑系の直観的方法」を改稿)と記載されています。
これはどういうことか。
実は、この「幻の11章」は、出版社の編集方針と、紙面の都合で割愛せざるを得ない状況にあったのだそうです。
しかし、もともとあったはずの章が無くなってしまうのは忍びない、何とかならないものだろうか・・・
考えを巡らせた結果、出てきたのは、こんなアイデアでした。
 ・内容の一部を後記に含める => だから「やや長めの後記」になった。
 ・本に収まり切らなかった内容は、別途電子書籍にして、後からダウンロードできるようにした。

ここでおもしろいのが、そのダウロードの方法です。
ただPDFを置くだけでは、本を買ってくれた人に申し訳ない。
そこで、本を持っている人だけが入手できるように、本の中に1つの「謎解き」を織り交ぜることにしました。
PDFをダウンロードするためにはパスワードが必要で、そのパスワードを入手するには、本の中にある謎を解かなければならない。
こういった仕掛けを施すことで、収まりきらなかった原稿を読者に届けることができるようになったのです。
ちなみに、物理数学・・・の謎解きの題材は、表紙の絵の中にあります。とくとご覧あれ。

さて、電子書籍ブームと呼ばれて既に久しくなりますが、実際、紙の書籍と比べて、まだまだ電子書籍が独り立ちしているとは思えない状況が続いています。
理由はいろいろあるでしょうが、その1つとして、新たに電子書籍専用のコンテンツを用意するのが難しい、といった事情があるかと思います。
ここで1つ見直したいのが、「紙.vs.電子」という対立の図式です。
紙と電子は互いに競合する、敵同士なのか? そうならないやり方もあると思うのです。
書籍を作る側の身になってみるとわかるのですが、紙面というものは非常に限られたリソースです。
著者としては載せたいのに泣く泣く削らざるを得ない、といったことは往々にして起こっています。
しかしながら、出版社としては、できれば本は薄く仕上げたいという事情があります。
(今どき、分厚い本は敬遠されがちですし)
ここで、紙に載せきれなかった分は、電子にして配布すれば、問題は一気に解決するではありませんか。
現在でも、書籍のフォローを個人的なWebサイトで行っている作家さんは少なくありません。
であれば、紙の書籍 => 電子書籍 という流れをもっと積極的に採用して、
いっそ「紙+電子」で1つの複合メディアにするのが理に叶った方法でしょう。
 「導入は紙で、発展は電子で」
紙から電子への移行期にある今こそ、こうした配布形態が最も適しているのではないかと思うのです。

注文履歴をCSVダウンロード

表題通りの機能追加です。
「注文履歴」の検索フォームの右下に「注文履歴をCSVダウンロード」を追加しました。
注文履歴の内容を、そのまま手元のPCにダウンロードすることができます。
ダウンロードした注文履歴は、EXCELで管理することを想定しています。
毎月の売上管理や、顧客リストの作成などにお役立てください。

ちょっと便利なPayPal Mini Cart

ちょっとした販売ページを作るのに、お手軽便利なのが、ここに紹介する PayPal Mini Cart です。

PayPal Mini CartJavaScriptでできていて、ホームページに簡単に埋め込むことができます。
利用はフリー、もちろんそのままPayPalの決済に連結しています。
どんなものかは、配布元サイトで実際に動かしてみた方が早いでしょう。
>> PayPal Labs. Mini Cart

この Mini Cart、オリジナルは英語ですが、表記や通貨単位を日本語に直してみました。
>> PayPal Mini Cart 日本語版デモ

日本語版は、こちらからダウンロードできます。
>> PayPal Mini Cart 日本語版(2.0.5-13_jp)

これからスモールスタートで販売ページを作ってみようと思っている方、ぜひこの Mini Cart を試されてはいかがでしょうか。